色即是空というやつか
形あるものは、すべていつか朽ちていく。いまさらながら、それを実感したという話。
あちらではそこそこメジャーなのに、なぜか日本ではほとんど知られていない、ピーター・サクソン(Peter Saxon)のオカルト探偵団物《ガーディアンズ》シリーズ。その第2巻にあたる『Through the Dark Curtain』(1968,Lancer)を読み始めたところ、パキッと嫌な感触が……。そう、糊の経年劣化で背が割れてしまったのである。読むほどにページが外れていき、読了時にはこのありさま。
ま、おかげでこんな写真も撮れますけどね。
なかなかイカすカバーアートだが、実際は作中にこのような場面はなかったりする。まあ全体の雰囲気はこんな感じかな。《ガーディアンズ》シリーズはぜんぶで6作あるので、すべて読み終えてからまとめて本ブログでご紹介するつもりにしている。まだ3冊しか読めていないので、たぶん来年になってしまうだろう。とりあえず、手持ちの全6作の表紙だけお披露目しておこう。
めざとい方は、上で『Through the Dark Curtain』を第2作と紹介しているのに、『Dark Ways to Death』のカバーに「♯2」とあるのに気づかれただろう。ところが実は、『Dark Ways to Death』はシリーズ第1巻なのである。《ガーディアンズ》シリーズは短い期間で複数の出版社から新作が出たりリプリントされたせいで、ちと書誌がこみ入っている。その事情も含め、またあらためてご紹介したい。
それにしても、この『Through the Dark Curtain』、古書店の状態説明は「Very Good」だったし、手に取った感じはまだ堅牢そうだったんだけどなあ。46年も経ったマスマーケット・ペーパーバックだから、仕方ないのか。などと嘆いている最中に、また海外から取り寄せたペーパーバックが届いた。
マイケル・ブランドンが1944年に発表したブードゥー・ホラーの長篇『Nonce』。そのリプリント版で、Avon Booksから1953年に出たものである。
これも「Very Good」で、値段もそれなりだったのだが、ページを開くとこんなことに……。
読んだらぜったいバラけるよねえ。うーむ、「金を惜しんではならぬ」という、古本の神様の思し召しなのか!?
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