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2006/06/21

怪談専門誌『幽』第5号

 メディアファクトリーより怪談専門誌『幽』第5号(メディアファクトリー)[bk1][Amazon]の見本誌が届く。詳しい内容はこちらのページの下の方を参照。4号までは特定の作家を特集しいてた第一特集が、今号は「猫の怪」ということでテーマ特集になっている。一つの節目と言えるが、『幽』はもともと特集に徹した誌面構成にはしていないので、全体の印象はそれほど変わっていない。第二特集「実話と創作のあいだに」では、福澤徹三×平山夢明の対談が、一部の怪談ファンに根強くあるらしい本誌の《怪談=文芸》主義に対する反発について、実作者の立場から言及しているのが興味深い。

 私は今号では、「怪談ブックレビュー」で稲生平太郎『アムネジア』(角川書店)[bk1][Amazon]を書評しているのと、新たにできた定番の旧刊紹介コーナー「怪談名著全集」でF・W・ホリデイ『奇現象ファイル』(ボーダーランド文庫)[bk1][Amazon]を紹介している。『アムネジア』はほんとうに傑作なので、ぜひともご一読を。事前の知識は一切ない方が楽しめる小説だから、ネットで既読者の感想を検索したりするのは厳禁。できれば私の書評も読んで欲しくないほどである。『奇現象ファイル』は、以前に大陸書房で出ていた怪著『古代竜と円盤人』が改題復刊されたもの。ほとんど話題にならず埋もれているのが惜しいのと、わざと定番を外して変化球も面白かろうと考えてチョイスしたのだが、朝宮運河氏が取り上げたジョン・A・キール『プロフェシー』(ヴィレッジブックス)[bk1][Amazon]と見事に被ってしまった……。

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