購書備忘録2005その38『ジム・トンプスン最強読本』
bk1から下記2冊が届く。
『ジム・トンプスン最強読本』(扶桑社)[bk1][Amazon]
異常性格者の保安官の内面を描いた傑作サイコ小説『おれの中の殺し屋』(別邦題『内なる殺人者』)や、ペキンパーの映画『ゲッタウェイ』の原作で知られる、ノワール作家ジム・トンプスンのガイドブック。小伝や作家論・作品論のほか、映像化作品の紹介のほか、無名時代の短篇やアルコール依存症を告白したエッセイといったトンプソンの未訳作品も収めており、盛り沢山。中でも、小鷹信光「50年代ペイパーバック・オリジナル小説と私 ジム・トンプスンとノワール作家群像」が、ペイパーバック・ミステリ収集歴50年の蓄積を見せつけており圧巻である。
たいへん充実した内容にもかかわらず安価でお買い得な一冊と言えるが、残念なことに一箇所本文に脱落があって、正誤表が挟まれている。購入時には、正誤表が紛失していないかご注意を。
ジャック・ケッチャム『黒い夏』(扶桑社ミステリー)[bk1][Amazon]
4年ぶりにケッチャムの邦訳が出た。まったくの気まぐれで行きずりの女子大生二人を殺傷したにもかかわらず証拠不十分で逃れた若者と、彼を疑い続ける元刑事が事件の4年後に激突、例によって凄惨な事態になるサイコ・スリラーとのこと。600ページ弱と、タイトな作品が多いケッチャムにしては厚めの本で、嫌な気分がたっぷり満喫できそう。
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