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2005/06/10

購書備忘録2005その34『紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件』

 Amazonより下記3冊が届く。

倉阪鬼一郎『紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件』(講談社ノベルス)[bk1][Amazon]
 吸血鬼にされてしまった幽霊実話ライターと怪奇翻訳家兼怪奇俳人のコンビが怪事件に挑む、<ゴーストハンターと黒川>シリーズの最新刊。いよいよ吸血鬼原理主義者たちとの全面対決になるとのことで、楽しみである。ただ、カバー画の主役コンビは美形すぎるような? 本文では、ええ歳したオッサンのイメージなんだけど……。初めて読む人が驚くかも。
「初めて読む」と言えば、このシリーズは本書カバーの著者の言葉の通り、各巻単独で読めるように書かれている。しかし、以前の巻も併せて読めば、主役コンビへの親しみも増すし倉阪の作風の推移も判って、よりいっそう楽しめるはずである。下記にリストを挙げておくので、ご参考にしていただきたい。(3)のみ品切れのようなので、版元はぜひ文庫化を!

(1)『百鬼譚の夜』(1997,出版芸術社)[bk1][Amazon]
(2)『赤い額縁』(1998,幻冬舎)[bk1][Amazon]
(3)『白い館の惨劇』(2000,幻冬舎)
(4)『青い館の崩壊 ブルー・ローズ殺人事件』(2002,講談社ノベルス)[bk1][Amazon](2005,講談社文庫)[bk1][Amazon]
(5)『紫の館の幻惑 卍卍教殺人事件』

大瀧啓裕編・オーガスト・ダーレス他『クトゥルー 13』(青心社文庫)[bk1][Amazon]
 ハードカバー版からだとからだと25年も続いた青心社のクトゥルー・シリーズも、これで完結とのこと。もう海外ホラーは出してくれないのだろうか? 収録作は下記の通り。※印は初訳だと思う。

オーガスト・ダーレス「彼方からあらわれたもの」Something from Out There※
オーガスト・ダーレス「エリック・ホウムの死」The Passing of Eric Holm※
R・B・ジョンスン「遙かな地底で」Far Below
ヘンリイ・ハーセ「本を守護する者」The Guardian of the Book
ロバート・ブロック「哄笑する食屍鬼」The Grinning Ghoul
ロバート・ブロック「ブバスティスの子ら」The Brood of Bubastis
ヘンリイ・カットナー「恐怖の鐘」Bells of Horror※
C・ホール・トムスン「緑の深淵の落とし子」Spawn of the Green Abyss
ジェイムズ・ウェイド「深きものども」The Deep Ones※

他に資料として、ラヴクラフトの書簡抜粋とフランシス・T・レイニイによる神話用語集、編者による関連グッズ紹介などが付されているが、収録作各篇についての解説が無い。初訳もあるのだから、解説は欲しかった。
 なお、版元のホームページによると、クトゥルー・シリーズ全13巻を化粧箱に収めたBOXセットも発売されるそうだ。どうしようかなあ。化粧箱の他に何かもう1つ、特典があればと思うのだが。

H・G・ウェルズ『宇宙戦争』(創元推理文庫)[bk1][Amazon]
 またも『宇宙戦争』の新訳を買ってしまった。この創元推理文庫版は、中村融による訳・解説。初出誌の挿絵が復刻されていたり、地図が付いていたりで、お買い得感がある。さて、残るは角川文庫版だが……。

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