購書備忘録2005その24『東京の幽霊』
仕事で難波に行ったついでに、古書店を何軒か冷やかした。収穫は1冊のみ。
源氏鶏太『東京の幽霊』(1974,文藝春秋)
源氏鶏太というと、サラリーマン社会を舞台にしたユーモア小説で一世を風靡した作家であるが、晩年に怪談ばかり書いていたことは、意外に知られていないのではないだろうか。作風としては、ほとんどが古典的な怨霊譚のようだが、流行作家らしく手堅い作りでハズレは少ない。
本書は、怪談と普通の小説が混ざって収録されている短篇集である。源氏鶏太の怪談本については、 私などがとやかく言うより、土田裕之さんのホームページ《幻想文学館》内の「源氏鶏太怪談の部屋」をご参照いただいた方がいい。初刊本について詳細に書誌情報をまとめられており、たいへん参考になる。
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