『夜夢』他2冊・受贈書御礼
祥伝社文芸出版部より、柴田よしき『夜夢(よるゆめ)』、岩井志麻子『嫌な女を語る素敵な言葉』、物集高音『大東京三十五区 亡都七事件』を頂戴する。どうもありがとうございました。
これまで私は、祥伝社とは一度も仕事をしたことがない。にもかかわらず、「怪奇幻想文学研究家」とは名ばかりでほとんど活動らしい活動をしていない私にこのように本を送っていただけるとは、恐縮至極という他ない。
柴田よしき『夜夢(よるゆめ)』[bk1][Amazon]
書き下ろしホラー・アンソロジーや雑誌のホラー特集に寄稿した短篇を集めたもの。書名と同じ題の短篇はなくて、日常の「昼」に対する非日常の「夜」を共通のコンセプトにしているのだという。艶のある紫に染められた装丁が美しい本。
岩井志麻子『嫌な女を語る素敵な言葉』[bk1][Amazon]
「小説NON」に発表された、男女の恋愛絡みの連作ホラー短篇の単行本化。あいにく雑誌掲載時に読んでいなかったのだが、ホラーといってもサイコ系のようである。なぜか帯の推薦文を竹中直人が書いている、と思ったら、著者の長篇『チャイ・コイ』を竹中直人が映画化するんですね。ちっとも知らなかった。
物集高音『大東京三十五区 亡都七事件』[bk1][Amazon]
昭和初期の東京を舞台に、安楽椅子探偵ならぬ縁側探偵が怪奇事件を科学的に解明していくシリーズの、第三弾にして完結編。文体が凝っていて、登場人物の台詞を時代設定に合わせるのみならず、地の文まで講談調にして古風な雰囲気を出している。こういうのも擬古文と言うのだろうか?
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント