購書備忘録2005その18 『神狩り2 リッパー』
bk1より、山田正紀『神狩り2 リッパー』、『SF JAPAN』2005年春号、パトリシア・ハイスミス『目には見えない何か 中後期短篇集1952-1982』が届く。
山田正紀『神狩り2 リッパー』(徳間書店)[bk1][Amazon]
まさかあの『神狩り』の続編が書かれようとは……。前作の終わり方が、あの形以外は考えられないというぐらいにばっちり決まっていたこともあって、期待も大きい反面、少々不安も抱かずにはいられない。冒頭からいきなり巨大な天使が舞い降りてきて怪獣さながらに暴れたりしているが、伝奇アクション的にスケールアップされているのだろうか?
『SF JAPAN』2005年春号(徳間書店)[bk1][Amazon]
この号では第25回日本SF大賞が発表されていて、押井守のアニメ映画『イノセンス』が受賞している。『イノセンス』は、私が去年劇場で観たなかではいちばんおもしろかった映画だけれど、果たしてSFとして傑出していただろうか? 選考委員の選評を読んでも、そこのところが今一つよく解らない。はっきり誉めてない委員もいて、押井守のこれまでの功績を加味してという話が出たようにも書いてある。それはジャンルの年次ベスト賞として正しいことなのだろうか? 以前から日本SF大賞は、本格オカルト小説の『帝都物語』や、SFとしては大したことがない『ガメラ2 レギオン襲来』が受賞したりと、どうも首を傾げさせられることが多いように思う。
パトリシア・ハイスミス『目には見えない何か 中後期短篇集1952-1982』(河出書房新社)[bk1][Amazon]
先に買った初期短篇集『回転する世界の静止点』(河出書房新社)[bk1][Amazon]の続巻で、全14篇を収録。初期短篇集に付いていなかった解説は、こちらに一括して収録されている。このような上下二巻組なら上巻にはっきりそう書いておいた方が、読者にも親切だし売り出し方としてもよかったのではないだろうか。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント