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2007/08/05

『トランスフォーマー』

 小学2年生の三男と、TOHOシネマズなんばで『トランスフォーマー』の日本語吹替版を見てきた。

 はっきりいっておバカな映画です。メインのストーリーは、さえない少年が父親にオンボロの中古車を買ってもらったら、これがなんと宇宙からやってきた正義の変形ロボットで、実は少年に地球の命運がかかっているのが判って、地球を救いつつあこがれのクラスメートと結ばれて万々歳という、なんともかんともなお話。これに悪の変形ロボット軍団と渡り合う米軍&政府機関というサイドストーリーが絡んでいくんだけど、実物の兵器がバンバンでてくるわりに考証もへったくれもなくリアリティ皆無。「高熱のAPDS弾」って何だよ? 悪のロボット軍団が狙ってる謎のキューブを秘密機関の基地から持ち出して、「近くの街に隠しましょう!」って、わざわざ市民を戦闘に巻き込み騒ぎを大きくしているではないか。

 えげつない下ネタてんこ盛りのベタなギャグがしつこく繰り返されるので、子供と一緒に見てるのが恥ずかしくなる瞬間もしばしば。つまらん人間ドラマをくどくど見せるわりに正義のロボットたちのキャラクター描写はあっさりめで、主人公の少年の車に化けたやつとリーダー以外は、誰が誰やらよくわからないとは何ごと? これじゃオモチャも売れませんぜ。しかも上映時間は約2時間半って、うちの息子はお便所の限界すれすれだったよ。ロボットヒーロー映画なのに、お子様に配慮しないでどうするのか。

 だが、だがしかし! 巨大ロボットが自在に変形しながら暴れまくるCGの凄さの前には、決して些細とはいえないこれらの難点も霞んでしまうのだった!! メタリックなロボットの動きの速いアクションが多いのは質感表現がまだまだ難しいCGの弱点をごまかす狙いがあるのだろうが、自在にアングルを変えつつ走り回るカメラワークが巧みで、観客もロボットとともに疾走しているかのような錯覚を与えることに成功している。私は世代的にこの映画の元になった玩具やアニメには縁遠くて特に思い入れもないのに、鋼鉄の塊の群れが飛び交い激突し合う破壊の嵐というべきクライマックスの市街戦の大迫力には、不覚にも涙しそうになった。理性は「こんなバカ映画に」といっているのだが、すさまじい映像のつるべ打ちに巨大なロボットやヒーローを見て育ってきた血と肉が否応なく震えてしまうのである。キューブを街に隠そうとしたおマヌケ大尉よ、あんた軍人失格だが漢だよ。ありがとう!

 繰り返すが、これはバカ映画である。ちゃんとした完成度の高い映画を楽しみたいと思っている人には決してお勧めできない。しかし、かつて巨大なロボットやヒーローに熱狂したことがある人、あるいは逆に今さら巨大なロボットやヒーローなんてと思っている人には、ぜひとも劇場の大スクリーンでこの映像を体験してみることをお勧めする。われわれ日本人が生み出したこのジャンルで、まだまだできること、やるべきことがあることがはっきりと判るだろう。斜に構えて『大日本人』なんか作ってる場合じゃないのである。

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