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2005/06/06

購書備忘録2005その33 『SFベスト201』

Amazonより下記5冊が届く。

伊藤典夫編『SFベスト201』(新書館)[bk1][Amazon]
 現代海外SFのガイドブック。諸事情により企画が立ってから刊行されるまでかなり長くかかったそうで、そのせいなのか、ややコンセプトが分かりにくくなってしまっている。
 編者の序文によると、本書はもともと1978年に自由国民社から出た『世界のSF文学総解説』の後を受ける意味合いの企画だったとのこと。1970年代前半から2000年までに邦訳された海外SFが紹介されているのだが、どういうわけか邦訳時期の逆順という変わった配列で紹介されているのである(ちなみに『世界のSF文学総解説』では、テーマ別分類だった)。20世紀最終四半期の日本における海外SF受容を遡って考えるというのならともかく、『SFベスト──』という書名とはそぐわないように思う。検索するにも不便だし、どうしてこのような配列にしたのだろう? また、最新が2000年というのも、今となっては物足りない感じがするのは否めない。ガイドの要であるそれぞれの紹介文は決して悪くはないし、パラダイムシフトとSFとの関係を中心に語った編者序文も読み応えがあるだけに、たいへん惜しい気がする。

マーク・マクシェイン『雨の午後の降霊会』(創元推理文庫)[bk1][Amazon]
 うだつのあがらない女性霊媒師とその夫が、インチキ透視のために女の子を誘拐するが──1964年の『雨の午後の降霊祭』[Amazon]、1999年の『降霊』[Amazon]と二度も映像化もされた、知る人ぞ知る英国産ホラー・ミステリ長篇。『幻想文学』の別冊『モダンホラー・スペシャル』[bk1][Amazon]で紹介を書かせてもらったぐらいだから、当然トパーズ・プレスの初訳版を持っているのだが、文庫化に当たって訳文が手直しされているとのことなので購入した。力押しの厚塗りモダンホラーとは違い、小粒ながら捻りが効いている洗練された佳品なので、未読の方はこの機会にぜひご一読を。

ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』(創元推理文庫)[bk1][Amazon]
 これはもう説明の必要もない、ファンタジーの古典的名作である。これまた他の版で持っているが、新訳なので買った。「それゆえに愛は戻る」を併録。

マーシュ・ゲルバート&トニー・ブライアン『イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004 オスプレイ・ミリタリー・シリーズ・世界の戦車イラストレイテッド33』(大日本絵画)[bk1][Amazon]
 時には中古車輌の改造で、時には新規開発で、豊富な実戦経験に基づいたユニークな装甲戦闘車両を次々と生み出し続けているイスラエルの、近年の動向を手際よくまとめたもの。政治的にはいろいろとある国だが、手持ちの機材を限界まで改良し続けて有効活用する兵器開発の姿勢には、学ぶべきところが多い。

高橋昇『日本の戦車と軍用車両』(文林堂)[bk1][Amazon]
 日本軍が使った車輌全般を、網羅的に解説したもの。何しろ、戦車と自走砲で全体の3分の1ほどの紙幅にしかならないのである。装甲列車や各種工作車輌、救急車、給水車、軍馬運搬車等々、これほど多様な車種を1冊にまとめた本は、かつて無かったのではないだろうか。図版がすべてモノクロなのがやや残念だが、その分廉価なので贅沢は言うまい。

 bk1からも1冊。
真梨幸子『孤虫症』(講談社)[bk1][Amazon]
  第32回メフィスト賞受賞作のホラー長篇。セックスを媒介に広がる寄生虫と、その被害者たちの爛れた人間関係を描いているらしい。帯には「ここにも、ここにもブツブツが! ああ、痒い、痒い、痒い、体中が痒い!」と不快感を煽る文句が書いてあって、カバーにもわざわざブツブツの加工が施されている。書店の紙カバーなどは付けないで読むべきか。

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