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2005/01/01

ULTRAMANに失望

 1月1日は映画ファン・サービスデーということで、家族全員(息子3人と妻と私)で『ULTRAMAN』を見に行った。

 頑張っているとは思うのだが、方々でよい評判を聞いていたために期待が高くなりすぎていたのか、どうにも物足りなかった。よく言われているように「ふつうの大人も楽しめる」とは、とても思えない。よいことはよいけれど、『ウルトラマンコスモス』以降迷走気味なウルトラ・シリーズにしては……という限定的な評価しかできかねる映画だった。以下、特に気になる点のみ挙げる。

 今回は科学特捜隊の代わりに自衛隊を持ってきてリアリティを増しているのが売りの一つになっていて、たしかに実物のF15J戦闘機の迫力は、ミニチュアのジェットビートルの到底及ぶところではない。しかし、その割に物語の中心となる自衛隊の特務機関とやらが、せいぜいヤクザ者の集団にしか見えないのは何とかならないものか。

 主人公を拉致するのに、わざわざセスナに乗らせるのはなぜ? 失踪扱いするでもなく、わざわざ家族や同僚に拉致を告げに行く(何と迷彩服姿でライフル担いだ兵士同伴で!)のなら、地上で捕まえればいいではないか。粋がっているとしか思えない遠山景織子の黒ずくめの衣装に、同じく彼女が演じた『怪奇大家族』のゴシックな骨董屋を思い出して噴き出したのは私だけだろうか?等々。

 怪獣映画の一つのキモである避難民のモッブシーンがお粗末なのも痛い。予算の限界もあろうが、人数は少ない・演技は下手・演出らしい演出もないで、とてもじゃないがほんとうに都心が蹂躙されているようには見えなかった。特撮にはたいへん力がこもっていただけに、残念でならない。

 もっとも問題なのが、結末が非常に曖昧なこと。未見の方に配慮して一応伏せておくが、何の説明も無しにあのような結末にしてしまうのは、命というものを軽視していることになりはしないか? それに、何となくハッピーエンドのような雰囲気に演出しているが、あの後主人公はぜったいに普通の生活はできないのでは?

 子供も見る映画だから、あまりハードにしてもという判断なのだろうが、親としては子供に見せるものだからこそ、きっちり筋を通して欲しい。小学生~高校生の意識調査の結果、実に2割が「死者が生き返ることがある」と思っているという、信じられないような報告もある時代なのだから。

 ──とまあ、不満は多いけれど、とりあえず1000円分は楽しめはした。いや、仮に1800円払っても、損した気にはならなかっただろう。とはいえ、それは私が、この手のジャンルのアベレージがどんなものか知っている年季の入った怪獣マニアだからで、ふだんはこういうものを見ない観客がいきなりこれを観て楽しめるかどうかは、かなり疑問だ。

 ちなみに私の家族の反応はというと、妻が「ええ話や」と涙ぐんでいた一方で、子供たちは『ゴジラFINAL WARS』の方がおもしろかったと言っている。小学6年生の長男に言わせると、「何か違う。ウルトラマンを見に行ってるねんで」。母を泣かせた親子愛の部分は、彼には蛇足としか感じられないとのこと。うーん、父はそこまでは言わへんぞ。

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コメント

私も元旦にウルトラマンを見ました。と言ってもそれは東京ローカルのUHFでやっていた実相寺昭雄の劇場公開映画「ウルトラマン」ですけど(笑)。ジャミラの乗ってきた宇宙船は物体X(カーペンター版)の宇宙船みたいに謎ですなあ。

投稿: 悲張正太郎 | 2005/01/09 09:27

 確かにジャミラの宇宙船、不思議ですね。乗っていった宇宙船そのままならともかく、グレードアップして帰ってくるとは。どうやって作ったんだろう?

『物体X』のお手製宇宙船は、原作では確かランドセルみたいな反重力装置でしたっけ? いくらかはリアリティがあるような。

 そういう意味では、『マジンガーZ』のボスボロットも不思議ですよね。学園の番長が、スクラップを材料に巨大ロボを! ボスは兜博士以上の天才だったのかも。

投稿: 中島 | 2005/01/09 17:10

 ボスボロットを作ったのはボスではありません。あれを作ったのは、光子力研究所の三博士(もりもり・せわし・のっそり)です。

 『俺もロボットに乗って活躍したい!』と願うボス一党は、三博士を密かに拉致。海辺のスクラップ工場に監禁して、ロボット製作を命じます。
 はじめこそ呆れていた博士達も、ボスの男気(?)にほだされてか、熱意と技術を傾けて、ガラクタを素材にボス専用巨大ロボを作り上げる……といった次第ではなかったか、と朧に記憶しております……ハァ~、ボロッ殿だい!

投稿: 只野 | 2005/01/09 17:51

只野様
ご指摘どうもです。
そうか脅迫だったのか。ぜんぜん憶えてなかったです。

>>光子力研究所の三博士(もりもり・せわし・のっそり)

ああ~、そういえばそんな人たちがいたような……。

投稿: 中島 | 2005/01/09 20:37

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